Monday, May 23, 2022
世界経済は、有意義な形でインフレに向かっているようです。かつて、インフレという言葉は悪い意味で使われていました。購買力を殺し、通貨やモノの価値を低下させるものだと思われていました。しかし本当にそうなのでしょうか。例えば、利子がゼロの銀行口座にお金を預けておくことを考えてみましょう(最近は、ほとんどの口座が、ゼロまたは限りなくゼロに近いですが)。インフレ率がゼロだった場合、特に心配する必要はありません。車も洗濯機も、来年も同じ値段だからです。今年の1万ドルが、来年も1万ドルなら、購買力は同じとなり、私たちは、何の心配もなく暮らすことができます。しかし、インフレ率が年3%だったとしたら、今年1万ドルのモノが、来年は1万300ドルとなります。言い換えれば、今年あなたがもっている1万ドルは、来年9700ドルに目減りしてしまうということです。これが、インフレによる資産の目減りです。 インフレ率についていけずに、資産が目減りすることを喜ぶ人はいません。1980年代、アメリカのレーガン大統領の時代には、インフレ率は年15%でした。1万ドルが、翌年には8500ドルまで目減りするということです。このような高いインフレ率では、資産の価値を守り続けることは非常に大変なことです。 ここ20年の間、多くの年金基金や保険会社は、小さな利益幅しかない長期債券で運用するほか方法がないのが現状です。このような長期債券は、インフレ率が高いときには投資価値がありません。インフレ率が15%の時代に戻ったとして、長期債券の伸び率が15%だったら、投資家は大損することになります。 基本に戻ってみれば、主要国の政府は、インフレ率を上げることで、不動産や株式市場、その他の資産価値を挙げようと試みていることは明らかです。2016年12月13日に書いたように、トランプ次期アメリカ大統領の選出を、世界市場は歓迎しているようにも思えます。トランプ次期大統領は、アメリカの強力なパワーを取り戻し、インフレを起こしてくれるのでしょうか。今のところ問題はなさそうですが、人々はすでに、インフレに勝てる資産を買いあさっています。資産を閉じ込めておかず、せめて、インフレ率に勝てるモノに投資すべきです。 最後にもう一度言いましょう。政府は、インフレを起こそうとしています。望めば、手に入れることができるのです。   お問い合わせはこちらまで。 日本アジアウェルスマネジメント 代表取締役 リチャード・ケイン (+66) 02 611 2561.   リチャード・メイヤー・ケイン カナダ・モントリオール州ケベック生まれ。 ロンドンに上場するアジア・ウェルス・グループの代表取締役。東京で、メイヤーグループの代表を15年務めた後、現在アキコ夫人と二児とともにバンコク在住。 リチャード・ケインは、アジアにおける資産マネジメントについて、19年以上の実績を持つ。日本人に対しても、国際税務、資産管理に関するコンサルティングを行う。  

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